カテゴリー： 医療

すんなりわかる看護師のヒト・カネ

すんなりわかる看護師の事情

看護師の国内で働いている人数は？

まずは日本における
保健師助産師看護師の就業人数状況を見てみましょう
２００８〜２０１８年の２年毎の調査結果です。

※数値のみの変動なので少し見づらいです

２０１０年で１００万人の看護師が実働している状況ですが、人口増加と超高齢社会を考慮すると決して多い人数ではありません。
むしろ潜在看護師の増加や離職者の増加の歯止めがかからない現状で看護師の実働数をさらに増加したいところですね。

看護師の男女比は？

男女比は１：９で勤務している男性看護師は現在大体１０万人ですね。１００万人の女性看護師に囲まれて・・・。
これでも男性看護師は増えてきて看護業界でも役職をもち活躍する病院もよく耳にします。
これからのさらなる活躍に期待できそうです。

看護師は増加傾向？

看護師数の年次推移をグラフで見てみましょう
２年ごとに４〜８万人増えていくイメージですね
１年ごとに２〜４万人の間で増加はしていますが、このグラフの裏側には離職数も隠れています

看護師の年代割合

細分化して年代別の推移も興味深いですよ。
若手（30歳以下）は横ばいでありますが、３０歳以上の層が徐々に増えていることがわかります。
新人や若手の力を頼りにする時代はそろそろ破綻しますし、働き方の改革をしない限り体力・精神力勝負の献身業務は
身の破滅に拍車をかける時代背景にあっていない状況となり得ます。

以下のグラフは准看護師数ですが
国策で大学卒の正看護師を増やそうという動きがあるので
（リーダーシップの取れる学術的な看護師のビジョン）
准看護師養成学校も減少傾向であります。

※参考にまで
日本における介護が必要な人数（要介護認定による割合）からわかるように
超高齢社会における日本は高齢者数の増加は避けられず、同時に介護を必要とする人数も必然的に増加します。
看護師は１００万人、介護認定を受けて認定者は４００万人。看護師だけの問題ではありませんがこの現実は避けられません。
１人で４人看る単純計算であればいいですが、全てが慢性期の患者ではなく、急性期で働く看護師や患者の救命対応など

看護師の退職理由

退職理由は結婚・出産・育児と女性の職場ならではのライフイベントが挙げられます。
そのイベントは、看護師の職場ではそのまま継続勤務するのは困難であることと、
若手いびりの逃げ口として退職の正当な理由とする風潮は完全否定はできないようです。

また、健康面の不安が大きく、夜勤・残業など何もない時間を過ごす分であればいいですが
医療現場は平穏であることが珍しく、常にアドレナリンが出ている状況と言っても過言ではありません。
現場に少しでも安息があればどのような方でも長期的な勤続可能なのですが・・・。

看護師の再就職理由

若手と30代〜から看護師数が増加との差がある背景として
育児が落ち着いて復帰するというライフイベントの変化が考えられます。
経済の不況や医療業界のニーズの高まりに伴い看護・介護職の増加は関係性が高いものとなっています。
自身の生活資金や子どもの教育資金など不況になればなるほど必要度は高まります。

看護師とカネ

「看護師って高給与なんでしょう？」の根本的理由として
夜勤と勤続年数と役職の掛け合わせです。
夜勤の入った回数・同一施設での国家公務員のような医療職俸給表（三）を準じたものや
地域の給与相場を参考にした給与体系となるので生涯賃金が容易に計算できます。
むしろこの話自体が初耳の方も少なくはないと思われます。

現在、求められるサービスの質や医療レベルの上昇、個人の業務負担の増加で
”割りに合わない”と嘆く看護師は少なくないと考えられます。

給与額の全体図

３年制看護学校新卒（左）・4年制大新卒（中央）・看護師10年勤続(役職なし)（右）の３つに分けて考察できます。

1.３年制と４年制大学の差は微々たるもの、多少の差をつけている
2.３者とも、基本給に加えて手当ては＋７万円程度
3.半数以上は１０年で４万円増加は見込める
4.最大値・最小値の幅は新卒はほとんど相違ないが、手当や勤続年数が増せば手当や働き方でふれ幅が大きくなる
5.中央値・平均値がほとんど変わらないので大きく世間とズレた給与を得ているアンケート回答者はいない

頑張れば額面４０万いきますが、理にかなった労働と対価と考えると、
夜勤専従やフルタイム残業の多さにやられている可能性も否定できません。

勤務先による給与額

国家公務員看護師は医療職俸給表（三）に則るので幅は厳格化されていますね。
社会医療法人系は税優遇があるのと経営に重きをおいている部分があるので職員に対する給与の幅が経営状況に左右されていることが背景にあります。

給与が病床数に比例するか、という点に関しては、微々たるものだが関係する可能性は秘めている。

実は病床数ではあまり給与額は変わらないというのは現状です。

[chat face=”sun.e.png” name=”すん” align=”left” border=”gray” bg=”gray” style=”maru” ] 自身で改めて調査したことで、看護師の多さと現場の抱いているイメージの差がはっきりした気がしましたね [/chat]

[chat face=”waka.e.png” name=”わか” align=”right” border=”green” bg=”green” style=”maru”] 現実は基本給は低く、手当てで補われていたり、看護師は増えていても実働部隊は少なく潜在看護師になって行くのね・・・ [/chat]

（参考文献）
厚生労働省　平成 30 年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
公益社団法人日本看護協会
厚生労働省職業安定局需給調整事業課医療・介護分野における職業紹介事業 に関するアンケート調査　集計結果(概要) 令和元年12月